木陰のベンチ
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Author:叶 響希
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『レインレイン・ボウ』
2008-07-21(Mon) 17:21
引っ越し以来、何かと物入りで新しい本を買うことを控えていたのだけど、久々に買ってしまいました。
……というか、読書録はずーっと書いていなかったんだな(苦笑)。
最近、知人から借りて読む本が、『空の境界』だったり『狼と香辛料』だったりと、いわゆるライトノベルだったということもありますが。
いや面白いですよ、ライトノベルも。

加納朋子 著
『レインレイン・ボウ』
この作家さんらしいな〜というのが、読後の率直な感想。←偉そう。
デビュー作から買っているくらい、好きなんですよ。

1冊のうち、章単位でも物語は完結しているのだけど、通して読むとひとつの物語になっていて、しかもほんのりミステリ仕立て。
けっして猟奇的に人が死んだり、ありえないトリックが存在したりしない、穏やかでどこにでも転がっていそうだけれど、ほんの少し非日常。

高校時代に同じソフトボール部だった二十代半ばの女性達の、それぞれの物語です。
メンバーのうち1人が亡くなったことで顔を合わせた女性達が、それぞれの章の主人公。そして、それぞれの章のタイトルが、虹の色をひとつずつ含んだものになっています。
(こういうタイトルと色のコラボ、わたしも書きたい。そのうちに……)

各人が仕事や家庭で自分なりの壁を抱えていて、悩んだり乗り越えたりしている姿も丁寧だし、読みやすい。
ただ、今現在と共感というよりは、「たしかにそういう時期もあったかも」という感覚だったのは……わたしが年を食っちゃったみたいで嫌だなあ(苦笑)。

この本の中に出てくる、高校時代のソフトボール部キャプテンは、同じ著者の小説『月曜日の水玉模様』の主人公!
これを知らずに買って読んだのだけど、途中で気づきました。
そういえば、『月曜日〜』でもソフトボールの事が書かれていたっけ。


久々に買った本が面白くてよかったです♪
『Swing』
2007-10-20(Sat) 14:51
画才はないけど、絵を見るのは好き。
見ているとその世界に入ってしまいそうになる、そいういう絵はすごく好きです。
好きな画集をめくったり版画を眺めていると、妄想の世界がぐんと近づいて――ダイブするあの感覚。
子供の頃は、図鑑や資料集を見ながら妄想したものです。

創造は想像から。

そんなわたしが心惹かれたのは、交流会がきっかけで知った絵本。
『Swing』

ひとりの女の子がブランコに乗って旅をする、文字のない物語です。
絵本の出版元は「親と子のコミュニケーション」をうたっているけれど、わたしは自分の人生を歩んでいる(=ブランコをこぎ続けている)大人にとっても意味のある作品だと思います。
きっとこういう絵本の解釈は、ページをめくる人それぞれの価値観で変わるんだろうなあ。
想像力をくすぐられる一冊でした。

参考までに。
http://www.forza.co.jp/dialo/

文字がないぶん、絵には力が入っているそうです。
(グラフィックかもしれないけど、点描+水彩風のタッチ)
そして、気づいた人だけがわかる「隠れ文字」が、素敵♪

ここまで書いて気づいたけど……回し者とか、そういうのじゃありません。念のため(笑)。
読んだ本、いろいろ
2007-10-08(Mon) 16:49
マメに感想を書けばいいのに……すっかり忘れておりました(苦笑)。
最近読んだ小説は、以下のとおり。


原 宏一 著
『床下仙人』

中年サラリーマンの自尊心をくすぐるための小説集……だと、思いました。
作者の本心なのか読者満足を狙っているのかわからないけれど、キャリアウーマンや専業主婦を敵に回すような思想だな(苦笑)。
亭主が頑張って働いても妻は理解してくれない、とか、働く女性の主張が浅はかだとか……ね。ちょっと不愉快だ。


石田衣良 著
『東京DOLL』

天才ゲームクリエイター(MG)と少女(ヨリ)の、ちょっと切ない恋物語。
ゲームのモデルを求めていたMGが夜のコンビニでヨリに出会い、東京の夜の街で人形として被写体になってくれるよう頼む……という冒頭のシーンはけっこう好きです。その後は、良くも悪くもこの著者らしいな、という展開。
エロスを拒絶はしないけど、同じ著者の話を多く読むと性癖もわかるよな、と(苦笑)。というか、エロを書きたいのか純粋な恋物語を書きたいのか、あるいは青春モノを狙いたかったのか……微妙。
嫌いじゃないですが、二回も読みたいとは思わないという感じ。


本多孝好 著
『FINE DAYS』

表題を含む、4つの短編集。
この著者のどの本にも言えることだけれど、ユーモアのある言葉選びが、とても好きです。作品はどれもミステリの要素もありつつ、でも、読者に対してすべてを明らかにせず、謎を残すパターン。
好き嫌いは別れるかもしれませんが、わたしは好きでした。
『FINE DAYS』『眠りのための暖かな場所』がお気に入り。


上橋菜穂子 著
『精霊の守り人』『闇の守り人』

守り人シリーズの文庫化された2冊。
日本のファンタジーとしては、十二国記を読んだとき以来の衝撃でした。
主人公は女用心棒のバルサで、歳は三十くらい。とても強くて、きっと美人で、まっすぐなキャラクターは好感度大です。

『精霊の守り人』……偶然皇子を助けたバルサが、託された皇子を守りながら刺客や魔物との闘いを繰り広げる物語。
『闇の守り人』……自国に戻ったバルサが、自分を守るために汚名を着せられた養父の名誉を挽回するため命を懸ける物語。

登場人物や世界観の描写がとても奥深くて、ぐんぐん引き込まれました。
全作文庫化されないかな〜。もとは児童書だけど、これは大人も読むべき。大人が読んでも深い物語です。
大人が主人公の児童書ファンタジーというと『ゲド戦記』を思い出すけれど、あれと同じような要素もありつつ、こちらのほうがずっと面白いと思いました。


上橋菜穂子 著
『狐笛のかなた』

和風ファンタジー。
「聞く耳」の力を持って生まれた小夜と、彼女に助けられた子狐――「使い魔」にされた霊狐・野火の、温かくて切ない物語。
テーマは恋。
読みながら目に浮かぶ景色も美しくて、お互いを想う気持ちのまっすぐさが、痛いくらいです。
1冊完結で綺麗にまとまった物語という意味で、後半の盛り上がり以降、ちょっと先が読めちゃったのだけれど、それだけに安心して最後まで読めました。
読み終わってから、ああよかったな、と思える作品です。
最近読んだ本
2007-07-28(Sat) 16:43
最近、借り物の本が多いので防備録として。

東野圭吾 著
『手紙』
弟のために罪を犯した兄は、獄中から手紙を送り続ける……。
進学も恋愛も夢も、強盗殺人犯の弟であるために挫折することになる直貴は、自分が生きていくために、家族を守るために、決断せざるをえなかった。

被害者の視点ではなく、加害者の家族が描かれた物語。とても考えさせられる作品でした。
兄の想い、弟の想い、それぞれ理解できるだけに、難しいです。
弟からの兄への手紙に込められた想いに、泣けてきそうでした。

ちなみに映画化もされていますが、映画とはちょっと違うみたいです。


石田衣良 著
『1ポンドの悲しみ』
三十代の男女の恋愛ストーリーをまとめた短編集。
なんというか、大人のお伽噺、という印象を受けました。
この作家さん、こういうのも書くのねえ、と少し意外でもあったけど、文体が好きなので読みやすかったです。


石田衣良 著
『約束』
上の本が幸福の短編集だとすると、こちらは泣ける短編集というべきか。
いろんな絶望に遭遇する人達が、それでも光を見つけて前を向いて歩いていこう、というようなストーリーばかりです。そういう意味では、こちらもある種のお伽噺なのかもしれない?

本のタイトルにもなっている『約束』というお話は、池田小学校の事件を想いながら書かれた作品だそうです。(同作者は、酒鬼薔薇事件を題材にしたような『うつくしい子ども』という本も書いているので、こういった事件に対する関心が高いのかも)
……が、一方で、書きながら涙したという作者の想いがあまりにも透けて見えるという点で、若干、冷めてしまったという印象はありました。


山田 悠介 著
『パズル』
担任教師を人質にとられた有名進学校の生徒達が、制限時間内に2000ピースのパズルを完成させていく、というお話。
ストーリーそのものは嫌いではないのだけれど、ところどころ、場面転換シーンがブツ切れの印象。これは好き嫌いの問題もあるだろうし、登場人物が多いので仕方ないと思います。
残念なのは、途中で犯人も目的もわかってしまったところ。

読者を誘導したい意図が明確に文章から透けて見えすぎるのが、ちょっと残念でした。


唯川 恵 著
『肩越しの恋人』
ドラマ化もされた作品です。
女の武器を活用して自由奔放に生きるるり子と、何事にも自分から飛び込んでいくよりは構えてしまう萌。対照的な2人が、それぞれ自分の幸せを探して、ぶつかり合ったり泣いたり笑ったりしながら、生きていく姿が印象的です。

テンポがよくて、ときとして痛快。
るり子は最初、好きになれなかったけれど、最後の選択はものすごく応援したくなりました。
面白かった、と久々に思えた作品です。
(好きだと思えた感覚が、山本文緒『きっときみは泣く』と、ちょっと似ているかな〜)
小説以外の本
2007-06-10(Sun) 23:57
近頃、小説じゃない本を手に取る機会が増えています。
自分の興味の幅が、思わぬ方向に転がりつつあるのは何故なのか……(笑)。

■『完全覇道マニュアル〜はじめてのマキャベリズム〜』
ブラックジョークが通じる人でないと笑えないけれど、かなり面白いです。
小学生のひろしくんが、いかにして5年3組の覇道を歩むかというストーリーを、たろうくんとはなこちゃん、そしてふくろう先生が解説していくという内容。
はなこちゃん……強烈すぎます(爆)。クラスメイト達を愚民よばわりです。

公式ホームページの、こんな人に特にオススメ! という項目に、
・いますぐ、愚かな民草を支配したい
のほかに、
・オーベルシュタインになりたい
などとあるのが、まさにネタとしか思えない……(笑)。
※公式ページは検索ですぐにヒットします。

■別冊Newton『量子論』『相対性理論』
物理の2大理論ですね。
文系のわたしは物理なんて大っっ嫌い!! なのに、数千円もする本を買ってまで読むなんて、自分でも意外です。

月刊Newtonで『光とは』を買ったのが、こういう雑誌を手に取ったきっかけだったのですが、資料集のような感じでイラストも多く、わかりやすく解説してあるので「こんな感じなのかあ〜」と概要を掴むにはいい感じです。
公式みたいなものも登場するけど、そこはさらっと無視ですが(苦笑)。

色を勉強していると光は無視できないわけで、光を勉強していると量子論が登場するし、そうすると相対性理論も知りたくなった……という。
まあ、自己満足の延長なので、身になっているわけじゃないですけどね。
……学生時代、こういったものへの関心が今の100分の1でもあったら、進む道も違ったかしらっ?
宇宙だけは、昔からワクワクして好きだったんですけどね。