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2006-08-28(Mon) 23:47
そういえば、しばらくこのカテゴリを更新していなかったなぁ、と。 読書量が増えていないのも事実だけど、最近、読む本が神話とか神様とか、色彩本とか……ちょっと特殊だったので(あと、ゲド戦記も読んだけど)。
――言い訳しつつ、2作品。偶然ですが、どちらも直木賞作家です。 そしてどちらも一人称ですが、一人称の使い方には違いがありますね。 『4TEEN』が、その場にいながら周りの状況を語る役目としての一人称とすると、『眠れるラプンツェル』は主人公の主観にどっぷりはまってしまう一人称。 ……もっと上手い表現があるような気がしますが、まあ、そういう感じで(笑)。
石田衣良 著 『4TEEN』 タイトルでも想像できるとおり、4人のティーンズの少年が物語の中心。 主人公「ぼく」は、平凡でこれといって特徴もないのですが、語り部のポジションとして意図的のようでした。その他の3人は、体が大きい大食漢、インテリ系、病弱、といった個性があって、キャラクターの書き分けが、わかりやすいです。人数は違うけど、ズッコケ三人組みたいに(笑)。
作品は8つの短編からできていて、4人それぞれの少年や、彼等のクラスメイトにフォーカスがあてられた構成になっています。テーマとしてはすごく重いものもあるけれど、べったり重くないのは、キャラの明るさと、どこかユニークな語り口のおかげでしょう。 生と死、恋と性、純情、挫折、希望、友情。 がきんちょのくせに、吐く台詞や行動が、ときどき、憎たらしいくらいに「かっこいい」のです。 「まったく、男の子ってば!」と笑ってしまったり(怪しい)、不器用な温かさにじんわりしてしまったり。
爽やかな読後感がありました。いいねぇ、青春っ!! 先日、映画館で『時をかける少女』を観たときも感じたけど、自分が10代のときには得られなかったものでも、なんだか懐かしい気持ちで楽しめる、そういうお年頃になっちゃったのかな〜(笑)。
山本文緒 著 『眠れるラプンツェル』 最初はタイトルの意味がわからなかったけど、読み終わると意味もすんなり理解できました。 この作家の本は、ほとんど全部といっていいほど読んでいる気がします。……直木賞受賞作品以前のもののほうが、受賞作より好みですが(苦笑)。 この作品は、好きなほうでした。
子供もなく夫は不在がちな28歳の専業主婦である「わたし」が、隣の家に住む13歳の少年に恋をしてしまうお話。……とはいえ、まともな恋愛が成り立つような年齢ではないです。 少しずつ常軌を逸していく主人公の気持ちは、ある部分では共感できました。理性を保とうとしながらも、気持ちをとめられずに苦しむ姿とか。 少年の義父とまで大人の関係になってしまうのは、いかがなものかとは思うけど……人の心ってバランスを崩すとあれよあれよと転がってしまうからなぁ。 そうして転がっていった先がハッピーエンドとは限らないとしても、それを決めるのは他人ではないというのも事実。
この著者の作品は、最後は何かが崩壊していることが多いです。この小説も、そう。 それでも、主人公を「バカだな」と嘲るだけで終われないのは、誰にでもある心のアンバランスさと強かさを見せられるからかもしれません。 主人公の「わたし」が自覚していない感情は読者も無頓着になってしまうから、ほかの登場人物に突きつけられる台詞に、「わたし」と同じくらい衝撃を受けてしまう。 「わたし」があえて語らないことが、誰かのアクションによって少しずつ見えてくるという作風は、毎度ながら飽きません。(ミステリなら多い書き方かもしれないですね)
読後に、晴れ晴れとした気分を味わう! というわけにはいかないけど、つい手を出してしまうのは、怖いもの見たさというか、かさぶたを剥ぎたい衝動というか……そういうものに似ている気がします(苦笑)。
『眠れる〜』では、28歳の主婦が当たり前に「おばさん」と呼ばれています(爆)。 28って、世間的にはおばさんなんでしょうかね? そうかもしれないけど……っ。 なんか、イ〜〜〜〜ヤ〜〜〜〜ッ!!
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